
【命がけの出産】妻からの手紙 - Becoming a Father

笑みちゃんが生まれる前日、私は病院へ妻に会いに行きました。
いよいよ明日に迫った帝王切開の手術。 笑顔を見せつつも、妻の心の中には大きな不安が広がっていたはずです。
面会時間はほんのわずかでしたが、 「明日、笑みちゃんが無事に生まれたらどんなことをしようか」 そんなこれからの楽しみを語り合いながら、穏やかな時間を過ごしました。
そして帰り際、妻から1通の手紙を渡されました。
渡された紙は、病院でもらった「お薬の注意書き」のプリント。 その裏面に、びっしりと妻の文字が書き記されていました。
「明日の手術、待っている間に読んでね」
そう言って渡されたその手紙を、私は手術室の前で静かに開きました。
妻からの手紙
パパへ
私が入院したことで、とても成長したね! おそらく今までやらなかっただけなんだろうけど。
見直したよ。ご飯作って、お弁当も洗濯も。すごいね。
さて、この手紙を読んでいる頃は手術中でしょうか?
私と笑みちゃん、二人とも無事で出てきているだろうか。
この10年間、色々あったね。苦労の方が多かった? みんな頑張ったよね。家族になれたよね。
そんなタイミングで赤ちゃんができました。 とてもうれしく、しあわせです。
もし、私が生きて戻れなくても、今のパパなら安心して家族を任せられるよ。
私と笑みちゃん、二人とも元気だったら、とっても楽しい毎日が始まるんだろうな!
もちろん大変なこともたくさんあるだろうけど、私達家族の第2章のはじまりですね。
いつだって、喧嘩したって、困難だらけでも、パパと私は愛し合っているんだから大丈夫!!
今までもそうだったし、笑みちゃんがいるんだからもっと関係が強くなるね。
これから、新たなステージ、宜しくお願いします。
愛してるよ。パパ。
手紙を読み終えて
命をかけた出産に挑む妻の覚悟。 自分自身の恐怖よりも、残されるかもしれない家族のことを思い、パパを信じて託してくれた言葉。
そして、「生きて戻れなくても」という言葉の裏にある、生き抜いて家族みんなで幸せになりたいという強い願い。
お薬の注意書きの裏に書かれたその短い手紙には、私たちが積み重ねてきた10年間の絆と、妻からの溢れんばかりの深い愛が詰まっていました。
命がけで笑みちゃんを産んでくれた妻には、感謝してもしきれません。
あれから始まった「家族の第2章」。 色々な困難があっても、この時の妻の言葉を胸に、これからも家族みんなで笑顔で歩んでいきたいと思います。
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